「怪談最恐戦2020」・朗読部門コンテスト グランプリ・himalaya敢闘賞・作家賞 最終審査結果発表

怪談最恐戦2020朗読部門にご応募いただいた120名の皆様に心よりお礼を申し上げます。
おかげさまで 大変いレベルの高いコンテストとなりましたが、その応募作品の熱意のため、審査については悩ましいものがございま した。
それで、himalaya敢闘賞を1名から2名に増やすことにいたしました。
応募全作品を聞かせていただいて怪談朗読の難しさと可能性を改めて確信、
皆様が挑戦頂いた 様々なアプローチによりまだまだ怪談朗読というジャンルは発展の余地があると思います。
各賞を受賞なさった方々にはお祝いを申し上げます。

また残念ながら選から漏れてしまった方々もその 差はほんのわずかであり、大会主催者の好みも反映した審査結果でもあったことをお伝えいたします。
決して あきらめずに今後も怪談朗読に取り組んでいただけたらと思います。
すべての始まりは応募者皆様の怪談朗読を立ち止まって耳を傾けていただくことで、
もしこの大会が 少しでもそのお役に立っているようでしたら主催者としてささやかな喜びです。
最後に応募作を聞いていただいた皆様、一般投票いただいた皆様にも重ねてお礼を申し上げます。

怪談最恐戦2020実行員会


怪談最恐戦と「声」を活かしたコンテンツホルダーである「himalaya」さんがコラボするにあたり、「朗読」ほど適したコンテンツはないだろうと感じました。
「怪談」自体は元の体験の強烈さや、現象の不可思議さに相当左右されてしまいます。
ですが、「同じ話を違った人が話すとどう変化が出てくるだろう?」という疑問は常に感じていました。
そこで今回の朗読コンテストにあたり、自由に好きな作品を選んでもらうと同時に、同じ話を全員が読み、どう変化するか見てみたかったのです。
結果は‧‧‧想像以上のものになりました。
正直、僕は朗読のことをわかっていたとは言えなかったのです。
その人の持つ声、スピード、解釈、抑揚。
文字だけ見ると全く同じ話が、話者によって大きく形を変える。
その表現の幅の広さに感動すら覚えました。
『怪談朗読』この素晴らしい世界を知れたことに喜びを感じます。

最恐戦オーガナイザー/住倉カオス

【受賞賞金】

◼︎ グランプリ (優勝賞金10万円、”プロ怪談朗読家”の称号授与、「himalaya」のトップページにチャンネルが掲載、「himalaya」が”プロ怪談朗読家”としてのこれからの活動をサポート)
◼︎ himalaya敢闘賞 (賞金2.5万円×2名、「himalaya」ノベルティを授与)
◼︎ 各作家賞【怪談社(糸柳寿昭)賞/川奈まり子賞/黒木あるじ賞/黒史郎賞/住倉カオス賞】(賞金1万円とサイン入り著書を授与)

【受賞者リスト】

【グランプリ】
片桐真衣

片桐真衣
08_片桐真衣

【審査員講評】

「聞いている者の胸を高鳴らせ、次の言葉を待ち遠しくさせる素晴らしさがありました。磨きあげてきた技術に、読み手の人生の重さを感じさせる、まるで見事なものが現れています。拍手です。是非、今後も多くの人たちを魅了し続けて欲しいです。」
(怪談社/糸柳寿昭)

「深みのある柔らかな声と的確な抑揚に、何でも朗読できそうな可能性を感じました。群を抜いて優れた技術と感性で、出逢えたことに感謝しています。」
(川奈まり子)

「幅広い声の使い分けが巧み。淡々とした語りの中にも、聞く者を飽きさせない魅力がある。声を大きく使い分けずに一定のトーンが続く「課題」の語りのようなものでも、聞けた。課題作品の中では、もっとも長く聞くに堪えられる声だった。」
(黒史郎)

自由作:言葉じゃない_怪談社書記録 闇語り

【himalaya敢闘賞】
ごまだんご&和泉茉那

ごまだんご
30_ごまだんご

【審査員講評】

「開口一番「なにかが起こる」と確信してしまう、不穏で不気味な語りは流石のひとこと。」
(黒木あるじ)

「今回の朗読コンテストは「声」というものの表現の幅広さを感じさせてくれたと同時に、「声」を使った表現の残酷さも感じました。というのは、あきらかに「良い声」というものが存在するということ。 ただし、それを活かすも殺すも朗読する人間次第。 ごまだんごさんは、経験の豊かさもあってか、自分の声の「特徴」を十分に知って、それを活かす最善の方法を常に探っている。ということを感じました。いやぁ良い声です。」
(住倉カオス)

自由作:烏の置き土産_呪情

和泉茉那
13_和泉茉那

【審査員講評】

「地声の涼やかさで油断させて一気に足を掬う。喩えるならば、花畑に吹く鎌鼬。」
(黒木あるじ)

「選んだ自由作はセリフが多かったが、地の文とセリフの切り替えが自然で、作品が荒れず、終始、丁寧な語りが好印象だった。」
(黒史郎)

自由作:間にあわない_怪談社書記録 闇語り

【作家賞/怪談社(糸柳寿昭)/たぬき賞】
小野寺昭憲

小野寺昭憲
97_小野寺昭憲

【審査員講評】

「悪い慣用句ですが『お里が知れる』という表現のごとく、情報が溢れている『読』です。能力を隠し持っている人間は余裕が浮き出るもの。本腰を入れてこっちがわの世界にいらしてくださいませ。首を伸ばしてお待ちしております。」
(怪談社/糸柳寿昭)

自由作:いのつき_黒木魔奇録 狐憑き

【作家賞/川奈まり子/思わず声が出ま賞!】
りっきぃ

りっきぃ
15_りっきぃ

【審査員講評】

「朗読者が作品のどこに恐怖や不思議さを感じ、それをどのようにして表現に落とし込むのか。 作家賞を選ぶにあたり、 私が注目したのはそこでした。 りっきぃさんは、淡々とした調子の地の文と、登場人物の台詞などとの区別が明確で、聴くドラマとして演出することに成功しています。 その中で、独自な解釈でオバケを演じてくださったことに、私は著者として嬉しい興奮を覚えました。 一方、読者をポンと突き放すことで余韻を残す終わり方については、私が読者に感じてもらいたかったそのままズバリの抑制のきいた表現をされていました。これには思わず快哉を叫んでしまいました。 課題作の朗読の仕上がりも素晴らしいと思います。 これからもりっきぃさんに朗読していただけるように、怖くて良い作品を書いていきたいと思います。」
(川奈まり子)

自由作:その女の姿_百◯八怪談「鬼姫」

【作家賞/黒木あるじ/音吐郎朗賞】
てるま

てるま
82_てるま

【審査員講評】

「穏やかさと怪しさが同居する声色に、ぞくりとさせられました。自分で書いた怪談であるのを忘れてしまうほど、生々しい世界が脳裏に浮かんだことも選定理由のひとつです。」
(黒木あるじ)

自由作:わらしのやど_狐憑き

【作家賞/黒史郎/背筋が伸びました賞】
嘉夜

嘉夜
49_嘉夜

【審査員講評】

「自分は猫背なのですが、嘉夜さんの語りが始まったら、おもわず居ずまいを正しました。透き通った声による落ち着いた語りが、今回、自由作で選ばれた川奈まり子さんの怪談と、とても合っていたと思います。ただ文字を追い、そこにそれっぽい雰囲気の声をのせる表面だけの語りではなく、言葉、音の一つ一つに奥行きを持たせているようで、聞く者に情景を想像させる丁寧さが語りから感じられました。まったく違った雰囲気を持つ朗読もお聞きしたいなと感じた方です。」
(黒史郎)

自由作:私の小指_実話奇憚呪情

【作家賞/住倉カオス/倍音の魅力賞】
御前田次郎

御前田次郎
96_御前田次郎

【審査員講評】

「正直僕の作品は感情を排した文章で、朗読に向かない作品だと思うのです。 ですが御前田さんはそれを、ドキュメンタリー番組のナレーションのような硬質な語りで表現し、作品に新たな生命を吹き込んでくれたように思います。 僕が思っていた「朗読」というものの「思い込み」のようなものを取っ払ってくれ、新たな表現に気づかせてくれました。 お見事。という感じです。 また御前田さんの声の持つ豊かな「倍音」も聞いて居て、心地よく、かつドライな恐怖も感じさせてくれました。」
(住倉カオス)

自由作:私は此処にいる_貯水槽殺人事件_住倉カオス「百万人の恐い話」

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【最終審査対象者】

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普段から「怪談の朗読」というものに向きあっていますが、企画として面白い大会でした。語りもそうですが、朗読も判断基準がたくさんあります。簡単に「上手い」「下手」で判断する人もいれば「雰囲気」「流れ」を重視している人、そして「イントネーション」「リズム」が大切という人もいます。「声質」「声色の使い分け」「内容の選択」「個性」「スタイル」「キャラクター」。挙げていくとポイントはまだまだあり、キリがないですね。自分の何を伸ばしたいのかは、源流をさかのぼって思いだせば簡単です。影響を受けた映画やアニメの演出でもいいですし、楽しみにしていたラジオ放送、幼稚園や学校の先生が読み聞かせのときに見せてくれた表現、祖父母や両親の声で覚えている絵本の物語。多感な時代の懐かしい焦がれを必ず持っているはずです。
応募されたものはすべて聞きました。候補者20名に入れなかった人たちは残念がることありません。所詮、大会なんぞ投票者や審査員の主観です。これを機会に、文章を書いて朗読を続けてください。HimalayaさんにUPし続けてください。芽はもう出ています。その花は必ず咲く花ですからお水をあげてくださいね。
さまざまな要素を含んだ「怪談朗読」はまだまだ未発展のものです。大事なのは全体の技術を上げながらも楽しみ、そして昇華していくことだと感じます。これを機会にいろいろな形で怪談の面白さを知り、まわりの家族や友人たちと「怖さの楽しみ」をわかちあって頂ければ嬉しい限りです。

審査員/糸柳寿昭(怪談社)


審査員をするにあたり、私は三度、後悔の念を抱きました。
最初は審査員の依頼をお受けした直後です。朗読に関する知識も技能も経験値もない自分が審査など大丈夫かしらと受諾を悔いたのですが、「またとない機会、ここは観客とおなじ目線、ひとりのリスナーになったつもりで聞いてみよう」と開きなおりました。
二度目の後悔は、投稿作品を聞いているさなかに湧きあがりました。甲乙つけがたい──とは使い古された常套句ですが、そんな言葉がうってつけの、いずれも素敵な読み手ばかり。優劣をつけるなど至難の技だと、改めて安請け合いした我が身を呪ったのです。
そして、三度目の後悔は──いまこの瞬間に抱いています。すべての朗読を聞き終えて気がつきました。百をゆうに超える語りを聞いたということは、これはもはや百物語と呼ぶに相応しいのではないか。だとすればこの後、我が身になにが起きるのか。そんな不安がぬぐえず、私はいま、身をこわばらせているというわけです。
なんとも恐ろしく、そして厄介なことに──すこぶる愉しい企画ではありませんか。

審査員/黒木あるじ

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【応募者】



【注意事項】

今回の応募朗読音源に関しては各作家さんに趣旨を説明して特別に許諾いただいたものです。現状のhimaiaya以外での公開はできません。 また怪談最恐戦2020朗読部門、各受賞作品以外の応募作himaiayaアプリなどでの公開は2021年11月3日までとさせていただきます。 発表されている本やDVD、ネットなどの怪談を無断で朗読、公開するのは違法行為です。そのような違法行為を行っている方はこのような朗読コンテストは失格となり、応募作品を上記期間中であっても削除する処置をとる場合がございます。 また、「プロ朗読家を目指す」という今大会の趣旨からSNSを含む活動などで、プロ朗読家にふさわしくなく、一般社会において不適格であると思われる言動が見受けられる方は応募作品を上記期間中であっても削除するなどを処置をとる場合もございます。 (怪談最恐戦2020実行員会)